幸せになるために、私は、あなたと離婚したいのです。

自分で生計立てたことない女が自立するまで③

体験談
カサンドラ
カサンドラ

こんばわ。結婚してから子どもができて専業主婦又は旦那さんの扶養の範囲で働いてきたけど離婚してひとり親でやって行けるのか不安に思っている人のために、あたしが自立するまでを振り返って書いているよ。

とりあえずざっくりとした試算で、おおよそ確保できるだろう収入の予測がついたあたしは、仕事探しと家探しをすることにした。何はなくとも資金だ。そして、毎月出ていくお金で一番大きい固定費は家賃だ。

仕事を探すための2つの軸

とりあえず、あたしの持っているスキルは子育ての間しばらくブランクがあったので学びなおしをしなきゃなと思っていた。仕事をして引っ越し資金を貯める間に、効率よく学びなおすなら、まったく無関係な仕事ではなく、少しでも業務の中にスキルを活かせることがあるものを・・・と、いうのが仕事探しのふたつの軸の一つになった。

あたしの得意なことを活かしつつ・・・スキルアップしつつ・・・。
我が子が大きくなって、ひとりでも過ごせるようになれば、働く時間は増やせる。転職を見込んでの仕事探しだった。

もう一つの軸は、我が子の進学に困難の無いところだった。

我が子は、軽い学習障害がある。
「符合」が苦手・・・つまり、「見て・写す」というのが困難なのだ。加えてうまく指先に力が入らないらしく、思い通りに文字を書くことも苦手だった。
学校の授業では、漢字や授業の板書など、見て書き写すということが多い。それに毎日のひとこと日記のような課題もあり、「文字を書く」サポートをしなければ、我が子の学習には支障があった。

小学2年時に受けさせてみたWISC-Ⅲ知能検査の結果を聞く頃には、アドバイスされた方法はすでに行っていた。耳から漢字を覚えるとか、なぞり書きをするとか、そういう勉強法だ。この辺のことは、発達障害関連のカサンドラの集いに書くとして、つまり、我が子の学習サポートにできるだけ時間が取れるようにするため、近所に仕事を探さなければいけなかった。

自分が役に立てる仕事

タウンワークやらアルバイト情報誌を見たりして、探した。

探しつつ、パソコンで履歴書を書いた。
履歴書を書くの、久しぶりだな・・・と思いながら書いた。
余談だが、何度も書くのは面倒だからデータにしてしまうのがおすすめだよ。パソコンに苦手意識があるのなら、早めに解消しておいた方がいい。得しかないから。

スキルを活かせそうなところで、近いところ。
そんな都合の良いところは、なかなかあるものではなかった。

仕方なく、一旦飲食店のパートにでもやろうかと面接を申し込んでみたものの、ちょうど決まってしまったとかでお断りの電話をもらった。なんだかちょっとホッとしたのを覚えている。(飲食店でバイトしたことないんだあたし)

めげずに探せっていう神のお告げかなと思って、探した。
すると、畑違いだけどあたしのスキルが役に立ちそうなところを見つけた。
まあ、この知識を千円前後で提供か・・・とはちょっと思ったが、子育てブランクもあるし文句ばかりも言ってられない。

そこは、あたしのスキルや知識を必要としていて、「こういうことに強い人が欲しかったんだ!」と喜んで採用してくれた。何年も前だが、面接してくれた人のホクホク顔を今も鮮明に覚えている。

必要とされ、喜ばれることがその時のあたしにはとても嬉しかった。

採用が決まった後すぐ、お断りの電話をくれた飲食店から、やっぱり来てくれない?って電話があった。こういうのって、タイミングだよねと思った。今度はあたしの方がお断りをして、お断りしてくれてありがとうと心の中でつぶやいた。

仕事に慣れてボチボチ家探し

仕事は、メインの業務は畑違いで何もかも初めてだった。
だけどそれは新鮮な刺激だった。

新しい事を覚えるのは大変だったし、やたら緊張もしたけれど、仕事はあたしに笑顔と活力を取り戻させた。大袈裟でなく、生きながら死んでいたあたしを蘇らせたように感じた。

徐々に慣れて仕事の面白みも判ってきた頃には、ようやく自分のお金で気兼ねなく美容室にもスタバにも行けるようになっていた。(つまり、夫から渡されていた毎月の生活費はそんな余裕がなかったってことね。)

あまりに仕事が楽しくて、うっかり離婚しようとしていたことを忘れかけたほど(笑)

前提として、「離婚」に悩んだらまず離婚弁護士さんに相談してから動くのでも全然いいのだけどね。
参考:「その時、私は離婚に踏み切った」

あたしは、弁護士さんに相談するという事に思い当たらず、引っ越し資金が溜まってきた頃、住む場所を探すことにした。(当時、発達障害に苦しむカサンドラ症候群は知られてもいなかったしね)

家賃は極力抑えたかった。余裕はない。最低どれくらいの金額で、どれくらいの部屋に住めるものなんだろうか?

ホームズ・アットホーム・CHINTAI・SUUMO・・・サイトに何度も何度もアクセスして、何度も何度も同じ物件を見比べた。見比べるうちに、住めたらいいな~と目星を付けている地域の部屋がいくらくらいなのかわかってくる。

不動産の賃貸物件は「仲介」というシステムなので、どのサイトに行っても、同じ物件を紹介している。どの不動産屋がどこにあって、親切に聞いてくれそうかな~?というのも気になった。

結婚前、仕事で不動産屋の人とはクライアントとして関わりがあって、割といい加減で失礼な体育会系男が多いのを知っていたからだ。もちろん、中にはとっても親切な営業マンもいるだろうし、仕事さえきちんとこなしてくれるのなら体育会系だろうとヲタクだろうと構わないが。自分のやりたい仕事ではなく、特に得意なことでもない仕事だから、そのうちすぐに辞めてしまうと家を買ったところの不動産屋が愚痴をこぼしていた(彼ももう辞める気満々で語っていた。)

あたしは、ネットから内見してみたい物件をいくつかピックアップしたのち、結局、働いてる場所から近い不動産屋のホームページがきちんとしていて良さそうにみえたので、そこに連絡を入れることにした。

離婚しようと思ってるんですよ

あたし「離婚しようと思ってるんですよ(にこにこ)」

不動産屋さんのお姉さんは、(;・∀・)えっ…て顔をしてた(笑)
すぐさま、あ、ああ、そうなんですねって平静を装っていたけれど(そんな驚く?)、まあ、アイスブレイクになって良かったのかも知れない。親身に相談を聞いてくれた。

離婚して、我が子とふたりで住むことや、家賃をなるべく抑えたいこと、住みたい場所の範囲などを事細かに相談した。予め、条件は絞り込んでいたのでサクッと伝えられたからなのか、不動産屋のお姉さんが優秀でサクッと飲み込んで物件をピックアップしてくれたのかわからないけど、手際よく相場より安い物件を紹介してくれた。

仕事をしていて、定期的な収入の証明ができたのは良かったらしい。
また、離婚前に自分名義のクレジットカードを作っていたのも良いことだったらしい。結婚前は、クレジットカードは使い過ぎてしまうのが怖くて作っていなかったんだけど、新しく始めた仕事のなかで、作る必要が出てきて作っていた。(今はほとんどの買い物をそれで済ませて、ポイントで我が子と美味しいものを食べたりしている。有難い。)

賃貸契約に必要なもの

家を借りる契約をするときに必要なものは、

  • 初期費用
  • 身分証明書(運転免許証や保険証)
  • 住民票
  • 実印

印鑑は、認印でいい場合もあるけど実印用意しておけば間違いない。印鑑証明書が後から必要になるので区役所で印鑑登録をしておくこと。「名前」の実印を作っておくと良い。あたしは、最初の就職をするときに、母が作ってプレゼントしてくれたのだけど「女の姓は結婚で変わってしまうので、名前の印鑑を」と作ってくれたものだ。(母に感謝!選択的夫婦別姓はよ!)

あと、身分証明書として、マイナンバーカードは微妙らしい。
コロナでハンコ情勢も変わりつつあるので、マイナンバーの取り扱いも変わってるかもしれないけど、住民票とかもマイナンバー記載しているのは受け付けられません~とかいろいろ面倒なんだと聞いた。

この辺は、別居や離婚しようとしてる人は、その時に不動産屋さんにちゃんと聞いてみてね。

連帯保証人の問題

さて、問題は「連帯保証人」だった。
まさか離婚しようとしている夫にするわけにもいかないし(笑)
仕事を早期退職して事業を起こしていた父に当時は頼んだが、不動産屋からは少し渋い顔をされた。

母子家庭で、部屋を借りようとすると、まず本人に安定した収入があるかどうかは見られるし、同様に安定収入のある連帯保証人がいないと、部屋を借りにくかったりする。

これは別に、母子家庭を差別してのことではない。
不動産屋も物件のオーナーも、慈善事業家も福祉施設でもないので、家賃を払ってもらえなくなると困るっていうだけのことだ。

契約者を収入のある親や親せきにしておいて、そこに住まう・・・という母子家庭があるようだが、これはお勧めしない。なぜなら、世帯主にならないと、ひとり親支援が受けられなくなったりするからだ。

ちなみに、保証人と連帯保証人の違いは頭に入れておくといい。
保証人も連帯保証人も同じく契約者が返済できなくなった時に、代わりに返済する義務を負う人の事だけど、取り立てられるとき、①保証人は、「まず契約者本人に取り立てをしてくれ!」という事ができるけど、連帯保証人にはそれができない。②契約者本人に返済能力があって支払いが滞っている場合、保証人は「本人へ!」と言えるけど、連帯保証人は支払うしかない。③保証人が複数人いる場合、保証人は頭数で割って返済をすることができるけど、連帯保証人は全額返済するしかない。

こういう違いがあるので、保証人にはなっても連帯保証人になるのはかな~り慎重になれよと父に言われた。

連帯保証人になってくれる人がいない場合、保証会社を使うことができる場合がある。
「連帯保証人になってくれる身よりがありません。保証会社は使えますか?」とズバリ不動産屋さんに相談してみるといい。それで渋い顔するような不親切な不動産屋なら、別の不動産屋に切り替えてしまうのが正解だよ。

金は天下の回り物

ここまでくると、なんでも金か、結局お金か、って感じてしまうかもしれない。

だけど、お金やお金を稼ぐための仕事に悪感情を持たないで欲しい。
「お金」っていうのは、「信用」で成り立っている。

ザックリでいいから、お金についての勉強をしておこう。学校でも社会にでてからも、お金について教えられることはない。その上、お金持ちや経営者についてを悪印象にするニュース(犯罪)やドラマ(フィクション)で認識が知らず知らずのうちに毒されている。


ただの紙っぺらは、千円は千円の物と同等の「価値」を持ち、1万円は1万円の物と同等の「価値」を持っている。社会でその「価値」を認めるという共通認識を持っていて、それを誰も裏切らないという「信用」があるから機能している仕組みなわけだよ。

そんでもって、大体言われたことをやる仕事っていうのは、千円前後くらいの価値を持っているということなわけ。

社会っていうのは、信用をお金に換えて、循環させることで人を生かしている。
社会が身体なら、お金は血液ということ。細胞が我々個人で、臓器が会社ってところかな。税金は、普通にお金を循環させていたら穴が開いてしまう部分に使われている。

ひとり親支援のお金も税金だけど、決して国に食わせてもらうというわけじゃないし、離婚していない誰かのお金を恵んでもらっているわけでもない。高度で包括的な相互扶助の仕組み。人間が知恵を持った生き物だからこそ作れた仕組みなんだなと思う。

だから、もっと自分を活かした働き方ができること・子を持つ母親が働きやすい社会を作っていくことが大事だよね。

自立と自律

家賃のめどが立ち、我が子とふたりの生活のめどがついたあたしは、ファミレスで夫に離婚を切り出した。

「あのね、離婚してほしいんだ。その方が、あたしはひとり親支援を受けられるし、あたしの生活が安定するから。」

既に仕事で収入を得て、ほとんど個々の生活になっていたあたしに、「自分で稼いだ金は、全部自分で使いたい」とのたまっていた夫は反対する理由がなかった。

「養育費は毎月振り込んでね。算定表によると○万円らしいから。」

淡々と離婚協議をした。
こちらの要求をまとめて渡した。
これまで酷いことをされて傷つき、離婚すると言って何度も何度も口論をしていたけれど、離婚するのになんら、感情的になる必要はなかったとすら思えた。

自律とはそういうことだろう。
自立=経済的に自立するには、自律して自分のリズムを整えなくてはいけない。
働くための生活リズム。夫の一方的なワガママに合わせない自分のリズムを守る事が必要だったのだろう。

自分のリズムを取り戻させてくれたのは、自立しようと思って始めた仕事だった。

これから、離婚をしようと思っている女性には、良い職場を見つけて欲しいと思う。
すでに好きな仕事に就いているなら、手放さないで欲しいと願う。
これから仕事を探そうという人には、妥協せずに自分自身の糧となる職場を探して欲しいと思う。
「好き」はあなたのエネルギーになる。勇気になるから。

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