幸せになるために、私は、あなたと離婚したいのです。

ひとり親・母子家庭。「ひとり親応援基金」に思うこと

離婚準備
カサンドラ
カサンドラ

カサンドラです。
前澤友作氏の「ひとり親応援基金」について、今回は、ひとりのシンママとしての想いを書き残しておこうと思います。

あの前澤氏がひとり親の支援を発表

ZOZOの創業者で株式会社スタートトゥデイ代表の前澤氏が、2020年5月10日にTwitterで「前澤ひとり親応援基金」を創設したことを発表した。(第一弾の応募・抽選・配布は終わっている)

あたしは、すごく衝撃を受けた。
なぜって、前澤氏のような起業家がひとり親を支援するなんて・・・採算合わないようなことに関心を寄せるなんて思いもよらなかったからだ。

失礼なことを言って申し訳ない;

超がつく成功者の彼が、社会から後回しにされ、打ち捨てられてきたシングルマザーに着眼するなんて考えられなかった。喩えて言うなら、回転ずしにいて隣の人が自分の皿を持っていってしまったような「は???」と瞬時に状況が飲み込めない感じ。とにかく、とにかく驚いた。

何のためにひとり親基金を?

基金の応募先ページには、基金創設への想いが綴られていた。

「助けたいとか、救いたいとか、そういうボランティア的なことではなく、一緒に前を向いて行こうよ」というメッセージだった。

不思議な視点に思えた。

いったい前澤氏には、ひとり親ってどう見えているんだろう?

常々、あたしたちは石を投げられていた。
「離婚するような相手を選んだ自業自得」
「結婚前に見抜けなかった自業自得」
「子どもを産んだのに離婚した自業自得」
「夫と子どもを離婚で不幸にした自業自得」
夫のモラハラに遭い、DVに遭い、裏切りに遭い、惨めな思いをして耐えかねて離婚する。

酷い夫との日々よりも、確かにそれは身体が軽くなるような「開放」だ。
心と身体を脅かされない「安心と安全」だ。
しかしそれは、背水の陣に構えるような重圧の始まりでもある。
(勿論、希望の光も心に灯るのだけど)

養育費の不払いが横行し、日本の法は、養育費を”払いたくない”悪質な別居親に支払いを命じてはくれない。
育児しながらの就職は時間や体力的にも高いハードルで、そもそも出産でスキルやキャリアを断たれて経済的に不利になりがち。
国からのひとり親支援を貰って、息抜きをすれば「私たちの税金でいいご身分ね」と言われることもある。
正直、責任を持つ父親になろうという気のない幼稚な男を相手にしてしまったばかりに、踏んだり蹴ったりだなと思っている。(そう思ってない人もいるのだろうけど、そんな円満離婚者はここを見に来ないだろう)

ひとり親は強くて逞しくて素敵

前澤氏は、もちろん誰か特定の個人ではなく、いろいろあってひとり親になった人たちを大きなくくりで見て基金を立ち上げたはずでしょう。

そのイメージがあたしの見ているものとは違っていた。
前澤氏は、ひとり親を「なんか逞しくてたまに弱くて人間らしくて素敵」「なんかあった人は強い」と捉えているんだねと。

ポジティブなイメージは、嬉しかったけれども、現実は貧困に追いやられ、精神的に追い詰められた母親が子どもに辛くあたるケースもあたしたちには想像がつく。そちらのほうがあたしたちには身近なイメージじゃないだろうか。

つい、「強いなんて押し付けをしないで欲しい」と思った。
手を差し伸べてくれていることはとてもありがたく感じつつも。

「お金や機会さえあれば子育てしながらだって何かしてくれそう」
というのが、何か、あたしにはさらなる荷重に思えたんだと思う。

最終的には、あたしも、母であってもなくても女性にもっと経済的な自立マインドが必要だと思っているけれども・・・

現状、養育費の不払いが多くあり、取り立ても困難な中でワンオペしていて、まだシンママは頑張れるよね?と思われているように感じたのだ。

前澤氏は、非婚主義で一夫多妻

フォロワーさんが教えてくれたのだけど、前澤氏は未婚の父なんだそうだ。

母親の違う子どもが3人いるとのこと。
調べてみると、二人の母親がいるのだそう。
どちらかの女性が2子を産んでいるということ。

前澤氏は、3人とも認知していて、養育費を払っているんだとか。
ご本人が言ってたらしいですが、「一夫多妻」を座右の銘にしてるらしい。
結婚という形に囚われたくないそう。

一瞬「えー」となるけども、「付き合う」=「事実婚」という感覚でいらっしゃるようだ。
それと「日本の婚姻制度」に疑問もあるようで。その辺は、個人の認識の話なので誰になんと言われようと別に付き合う二人の問題なのでどうでもいいけど、このことを知って、前澤氏が「ひとり親応援基金」に着目したことが腑に落ちた。

一夫多妻が倫理的にどうだこうだはここでは置いといて、世界・歴史的事実としての一夫多妻制は、夫が経済力を持っていない限りできないことだからね。彼がそういう価値観だとしても何ら不思議はないと思った。

「自分の気持ちにありのままに仕事や恋愛に打ち込めたほうがお互いに幸せ」ともおっしゃっているようで。
離婚をした身から言って、我慢し続ける結婚生活よりも前向きだと思った。

決してポリアモリーのようなものではなく、互いに恋愛関係にあるなら子を成す行為をするし、子ができれば育てるし、互いに好きじゃ無くなれば別れるだけのこと、ということなんだろう。

交際や子どもの存在を隠すことのない前澤氏の姿勢は、コソコソ不倫して”失敗”して子ができただの、養育費を支払わないで”得した”だの言う男とは別格の、誠実さすら感じたよ。

シングル親が普通のライフスタイルになるのかも

「結婚と家族」の在り方は、変わってきた。

弥生時代までにさかのぼると妻問婚で同居しないのが普通だった。そこから変化して、明治時代に同居して暮らす同居義務が結婚の形になり家族は一つ屋根の下という価値観ができた。そこからまた妻問婚に戻ろうとしているのかもしれないなんて思ったりもする。エネルギーの法則のように人の結束は緩み・崩れ・無縁になっていくものなのだろう。

「離婚」も今や約2分に1組。珍しくもない。
夫婦別姓をめぐっても「結婚の在り方」に疑問を持つ人も増えたし、子を産むための結婚、家族を世話する役割としての嫁入りなど、人権を尊重し男女平等を謳う今の時代にはそぐわない。

だけど、あたしたちが「人間」という「生物」であることは変わらない。
生物である以上、子孫を残し、誰かと安全と安心を分かち合う関係を求めることは変わらない。

シングル親でも自分の家族を作り、助け合って生きることが普通になるのかもしれない。

「結婚」という契約が「信頼関係」を作るのではない。
「信頼関係」があることを「結婚」という時代がくるのかもしれない。

その信頼は何に対するものか?
決して互いを支配束縛するものではなく、それは二人の未来を作る「子」を「親」として育てる誠実さだろうと思う。

養育費不払い問題は、国の社会問題

養育費を支払わない親は、子を死なせようとしている。
子を死なせようとしている未払い親を野放しにしているこの国は、本当におかしいと思う。
国というのは、いまはまだ、制度を作ってきた男尊女卑社会のことだ。
子どもを産んだこともない無責任・無頓着な男が、子どもを育てることを女に押し付けてきた社会。
その男らが作った国の社会問題が、子どもの貧困。

明石市のひとり親支援・養育費の立て替え払いが2019年に注目された。
明石市の泉市長も制度化されていないことを恥ずかしいことだと言っている。
泉市長、、素晴らしい・・・。

 「不払い養育費の立て替えはフランス、ドイツ、スウェーデン、韓国といった諸外国では珍しくないんです。『全国初』と言われますが、日本で今まで制度化されていないのが恥ずかしいことなんです」(泉市長)

明石市の「不払い養育費の立て替え」方針に反響 市長に聞く“出生数4年連続増”実現した子育て支援https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1912/24/news072.html

本来、国が無責任な親を野放しにせず、子を育てられる制度を整備していたのなら、前澤氏の基金など必要がなかったことなのだ。前澤氏がやろうとしていたことも、この立て替え・取り立て事業だったようだ。

動画でも語られているように、養育費を受け取れているのは25%しかいない。
国が放置してやらない社会問題なのだから、営利目的だとしても、誰かの問題を解決することは対価を得て当然の「仕事」だ。

未払い養育費を“手間なく”回収できる「iCash」–埋もれた権利をスマホでお金に

https://japan.cnet.com/article/35147531/

嫌な見方をすれば、男がまた女子どもを資源にして、男から金を巻き上げるテンプレにも思える。

だけど、誰かが問題を放置せず解決しようとしてくれていることは嬉しい。
DVやモラハラでにっちもさっちもいかなかったシンママには渡りに船なのは間違いない。
そして前澤氏がそこへ投資してくれていることによる話題性も嬉しい。
この国が無力に押しやられた者に「自己責任論」を振りかざしたりせず、やっと子どもを大事にする意識を持ってくれるかもしれない。
子どもをひとつの命として尊重する意識が国に生まれるのなら、産む性も尊重されやすくなるだろうとも期待している。

明石市と、前澤氏の「小さな一歩」から始まり、子どもの貧困がなくなればいい。
シングルマザーが働きやすい未来を作るために、あたしもがんばろうと思う。

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