「審判離婚」ってナンダ？

カサンドラ

裁判離婚の前に、審判離婚っていうのがあるのを知り、大貫先生にお話を伺ってみました。調停⇒審判⇒裁判なんですか？

大貫弁護士

離婚自体は、調停⇒裁判です。
婚費や面会交流は、調停⇒審判、その次に裁判はありません。

審判離婚とは

家事事件手続法284条に根拠があります。
当事者間に離婚調停が成立しない(または、成立見込みがない)場合であって、かつ、審判離婚の成立が適当である場合に、裁判所の職権で審判離婚ができます。

これに対し、当事者は、2週間以内に異議を申し立てることができます。
異議があると、審判離婚は効力を失います。

審判離婚は珍しい 離婚を専門的に扱う弁護士であっても、審判離婚は、10年に1、2度しかないほど、審判離婚は稀有です。どちらからの当事者が審判離婚を求めても、審判離婚になることは稀でしょう。

どんな場合に審判離婚になるのか

カサンドラ

審判離婚っていうのはかなーり「稀」なんですね。

1、離婚調停の場合

調停が成立しないが、当事者双方が審判離婚に同意し、調停委員も審判離婚が適切と考えている場合は、実務上、稀にしか起こりません。

大貫弁護士

私が、2020年3月下旬に関与した審判離婚では、妻本人も代理人である私も調停には出席しませんでした。ただし、裁判官から私に電話があり、離婚の意思、条件の確認がありました。なお、妻が欠席した理由はDV夫への恐怖、私が出席しなかった理由は遠隔地であるからです。

コロナで調停への出席が難しい場合、審判離婚の活用が考えられます。

2、離婚裁判の場合

離婚裁判においても、審判離婚は可能です。裁判係属中、裁判官の裁量で、当該案件を単独調停(当該裁判官のみにて行う調停を実務上、このように呼ぶ)に付した上で、審判離婚をします。

大貫弁護士

各当事者の意思は、代理人を通じて確認します。代理人のいない場合、直接本人に電話して、意思確認をする例もあります。

私が代理人となったある事案は、調停を経ずに離婚裁判を提起し、当事者双方が家庭裁判所に一度も出頭しないまま、電話で意思を確認し、審判離婚とした例があります。千葉家裁の案件で、原告は国外、被告は九州在住でした。

審判離婚が行われることは稀

カサンドラ

とあるサイトには、 「 原則として調停から審判を経て行うのが裁判離婚」とも書かれていて、これは大貫先生が一般的には間違いだよと教えてくださいました！ 離婚調停の場合に審判離婚になる事も、離婚裁判の場合に審判離婚になる事もあるけど、かなり稀なことなんだってことだね。

とにかく稀な条件下でしか起こらない「審判離婚」を考えるよりも、早く幸せな離婚ができるように弁護士さんと準備を進める方がよさそうだわ。